福岡市で住宅の新築、購入、リフォームを検討していても、「どの助成金が使えるのか分からない」「申請のタイミングはいつ?」「工事前に何をすればいい?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
福岡では、省エネ住宅やZEHへの支援、子育て世帯向けの住宅支援、バリアフリーリフォーム、空き家の活用・解体支援など、目的や状況に応じた制度が数多くありますので、利用できる助成金や支援制度をまとめました。
この記事では、福岡市の住宅関連助成金を、新築・購入、リフォーム、空き家対策の3つのカテゴリーに分けて、分かりやすく解説します。申請の流れや注意点、業者選びのポイントについてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- 福岡市の住宅関連助成金の全体像
- 新築・購入、リフォーム、空き家対策で使える制度
- 申請のタイミングと注意点
- 助成金を使うかどうか迷ったときの判断基準
福岡市の住宅関連助成金の全体像
福岡市で住宅に関する助成金を利用する場合、制度は大きく3つのレベルに分かれています。
- 国が定める全国共通の制度(こどもエコすまい支援事業、長期優良住宅化リフォーム推進事業など)
- 福岡県が実施する制度
- 福岡市が独自に実施する制度(福岡市民のみ対象)
国の制度は全国どこでも利用できますが、福岡市独自の制度は福岡市内の住宅のみが対象です。また、制度によっては国・県・市の助成金を併用できる場合もあります。
- 持ち家と賃貸の違い
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住宅助成金の多くは、持ち家(自己所有の住宅)を対象としています。賃貸住宅の場合、入居者ではなく物件のオーナー(大家さん)が申請主体となる制度がほとんどです。
ただし、一部のバリアフリー改修や省エネリフォームでは、賃貸でも利用できる制度があるため、まずは管理会社やオーナーに相談してみることをおすすめします。
- 対象住宅の考え方
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助成金を利用できる住宅には、いくつかの条件があります。
- 福岡市内に所在する住宅であること
- 申請者が所有している住宅であること(一部例外あり)
- 建築基準法などの法令に適合していること
- 申請者が福岡市に住民登録していること(制度による)
新築の場合は「一定の省エネ基準を満たすこと」、リフォームの場合は「既存住宅であること」など、制度ごとに細かい条件が設定されています。
また、所得制限や年齢制限が設けられている制度もあります。たとえば、子育て世帯向けの支援では「18歳未満の子どもがいること」、若年世帯向けの支援では「夫婦の年齢が一定以下であること」などの条件があります。
福岡市全体の助成金を幅広く知りたい方は、福岡市の助成金一覧もご覧ください。
住宅の新築・購入時に使える助成金
新しく家を建てたり、住宅を購入したりする際には、まとまった費用が必要になります。
福岡市では、省エネ性能の高い住宅、子育て世帯・若年世帯向けの住宅支援、移住・定住促進の3つの観点から、助成制度が用意されています。
省エネ住宅・ZEH関連支援
省エネ性能の高い住宅を新築する場合、国の支援制度を利用できます。
代表的なのが「こどもエコすまい支援事業」や「ZEH(ゼッチ)補助金」です。ZEHとは、太陽光発電などでエネルギーを創り出し、年間のエネルギー収支がゼロになることを目指した住宅のことです。



ZEH(ゼッチ)とは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略のことです。
高断熱・省エネ設備と太陽光発電などの創エネルギーを組み合わせ、年間のエネルギー消費量の収支を実質ゼロ以下にする住宅のことです。
コストの問題と天候の影響を受けやすいというデメリットがあるため、まだ普及していません。
- 一定の省エネ基準を満たす新築住宅が対象
- ZEH住宅の場合、100万円前後の補助が受けられる場合がある
- 申請は工事着工前が基本
- 国の予算枠があるため、早めの申請が重要
省エネ住宅の支援制度は、国が実施する制度が中心です。制度の名称や内容は年度ごとに変わる場合があるため、最新情報は国土交通省や環境省の公式サイトで確認することをおすすめします。
また、長期優良住宅の認定を受けた住宅には、税制優遇(住宅ローン減税の拡充、不動産取得税の軽減など)も適用されます。
子育て世帯・若年世帯向け住宅支援
子育て中の家庭や、若い夫婦が住宅を取得する場合には、追加の支援制度があります。
国の「こどもエコすまい支援事業」では、18歳未満の子どもがいる世帯、または夫婦のいずれかが39歳以下の世帯が対象となり、省エネ性能の高い新築住宅を取得する際に補助金が支給されます。
- 18歳未満の子どもがいる、または夫婦のいずれかが39歳以下
- 省エネ基準を満たす新築住宅が対象
- 補助額は住宅の性能によって異なる(数十万円〜100万円程度)
- 他の省エネ支援制度との併用可否は制度による
福岡市独自の子育て世帯向け住宅支援は、年度によって内容が変わる場合があります。福岡市の住宅都市局や、こども未来局の公式サイトで最新情報を確認してください。
また、住宅金融支援機構の「フラット35」では、子育て世帯向けの金利優遇制度もあります。これは助成金ではありませんが、長期的な返済負担を軽減できる仕組みです。
移住・定住促進に関する制度
福岡市では、市外から移住してくる方や、福岡市に定住する方を対象とした支援制度が用意されている場合があります。
ただし、福岡市は政令指定都市で人口も多いため、地方の自治体に比べて移住支援制度は少ないのが実情です。
一方、福岡市に隣接する自治体(糸島市、古賀市、福津市など)では、移住者向けの住宅取得支援や、定住促進のための助成金を実施している場合があります。福岡都市圏全体で住まいを探している方は、近隣自治体の制度もあわせてチェックしてみると良いでしょう。
福岡市内での住宅取得を検討する場合、移住・定住促進よりも、省エネ住宅支援や子育て世帯向け支援の方が、利用できる可能性が高いです。



福岡市内の地価高騰により、周辺の地域の人気が高まっています。特に古賀市、福津市あたりは今後10年で劇的に変化していきそうな雰囲気です。
リフォーム・改修で使える助成金

現在住んでいる自宅を長く快適に使い続けるために、リフォームや改修を検討する方も多いと思います。そういった方のために福岡市では、省エネリフォーム、バリアフリー・介護対応、老朽住宅の改修の3つの観点から、助成制度が用意されています。
省エネリフォーム(断熱・設備更新)
既存の住宅を省エネ性能の高い住宅に改修する場合、国の支援制度を利用できます。「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」や「長期優良住宅化リフォーム推進事業」などが代表的です。
窓の断熱改修、外壁・屋根の断熱工事、高効率給湯器への交換などが対象となります。
- 窓・壁・屋根の断熱改修が対象
- 高効率給湯器(エコキュート、エネファームなど)への交換
- 補助額は工事内容によって異なる(数万円〜数十万円)
- 工事着工前の申請が必要
省エネリフォームの支援制度は、年度ごとに予算が決まっており、予算に達した時点で受付が終了します。リフォームを検討している方は、年度の早い時期に申請することをおすすめします。
また、リフォーム後に一定の省エネ基準を満たすと、固定資産税の減額措置を受けられる場合もあります。
バリアフリー・介護リフォーム
高齢者や障がいのある方が安心して暮らせるよう、住宅をバリアフリー化する際にも助成制度があります。福岡市では、介護保険を利用した住宅改修と障がい者向けの住宅改造助成の2つが主な制度です。
介護保険の住宅改修は、要介護認定または要支援認定を受けている方が対象で、手すりの取り付け、段差の解消、滑りにくい床材への変更などの工事に利用できます。
- 要介護・要支援認定を受けている方が対象
- 上限20万円まで(自己負担1〜3割)
- 手すり、段差解消、扉の変更、床材変更などが対象
- 工事前にケアマネージャーや地域包括支援センターに相談
障がい者向けの住宅改造助成は、身体障がい者手帳を持っている方や重度の障がいがある方を対象に、住宅のバリアフリー化費用の一部を助成する制度があります。
対象工事は、浴室・トイレ・玄関などの改修で、所得制限が設けられている場合があります。詳しくは、専門家にご相談の上、ご検討ください。
また、介護リフォームの補助金について知りたい方は「介護リフォーム補助金ガイド」をご覧ください。
老朽住宅の改修支援
築年数が古く、耐震性や安全性に不安がある住宅については改修を支援する制度があります。福岡市では耐震診断・耐震改修の助成制度が用意されています。
- 昭和56年5月以前に建築された木造住宅が主な対象
- 耐震診断費用の一部を助成
- 耐震改修工事にも助成がある(上限額は制度による)
- 申請前に耐震診断を受ける必要がある
昭和56年5月以前に建てられた住宅は、旧耐震基準で建てられているため、地震に対する強度が不足している可能性があります。まずは無料または低額で耐震診断を受けられる制度を利用し、現状を把握することが大切です。
また、老朽化した屋根や外壁の改修については、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」などの国の制度が利用できる場合があります。工事内容によっては複数の制度を組み合わせることも可能です。
空き家・老朽住宅に関する助成制度
相続した実家が空き家になっている、使っていない住宅をどうするか悩んでいる、という方も多いのではないでしょうか。
福岡市では、空き家の活用、老朽住宅の解体、特定空家への対応の3つの観点から、支援制度が用意されています。
空き家活用・改修の支援制度
空き家を再活用する場合、改修費用の一部を助成する制度があります。
福岡市では、空き家を賃貸住宅や地域のコミュニティ施設として活用する際に、改修費用の助成を受けられる場合があります。ただし、制度の有無や内容は年度によって変わるため、最新情報を福岡市の住宅都市局で確認することをおすすめします。
- 空き家を賃貸住宅や地域施設として活用する場合が対象
- 改修内容や活用方法に条件がある
- 所有者だけでなく、借主が申請できる場合もある
- 事前に空き家バンクへの登録が必要な場合もある
また、福岡市には「空き家バンク」という制度があり、空き家の情報を登録して、借りたい人・買いたい人とマッチングするサービスも提供されています。空き家を放置せず、誰かに使ってもらうことで建物の劣化を防ぎ、地域の防犯にも役立ちます。
解体と併用できる助成金
空き家を解体して更地にする場合、解体費用の助成を受けられる制度があります。福岡市では、老朽危険家屋等の除却(解体)に対する助成制度が用意されています。
- 老朽化して危険な状態にある住宅が対象
- 一定の条件を満たす必要がある(築年数、老朽度など)
- 解体費用の一部を助成(上限額あり)
- 解体後の土地利用に条件が設けられる場合もある
助成の対象となるのは、倒壊の危険性があるなど、一定の老朽度に達した住宅です。すべての空き家が対象になるわけではないため、まずは住宅都市局や各区の窓口で、対象になるかどうかを確認してください。
また、解体後に新しく住宅を建てる場合は、先ほどご紹介した「省エネ住宅支援」や「子育て世帯向け支援」などと組み合わせることも可能です。
解体工事の助成金について詳しく解説している記事もあるので、解体をご検討の方はそちらも合わせてご覧ください。「解体工事の助成金について」
特定空家に関する支援・指導
空き家を長期間放置すると、「特定空家」に指定される可能性があります。特定空家とは倒壊の危険がある、衛生上有害である、景観を著しく損なっているなど、周辺に悪影響を及ぼす空き家のことです。
特定空家に指定されてしまった場合、以下のようなことが起こりえます。
- 市から改善の指導・勧告を受ける
- 勧告を受けると、固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が解除される
- 最悪の場合、行政代執行で強制的に解体され、費用を請求される
特定空家に指定される前に、所有者自身で対策を取ることが重要です。福岡市では特定空家になる前の段階で相談に乗ってくれる窓口もあります。
空き家を相続した場合、「どうしたらいいか分からない」とそのまま放置してしまうケースも多いですが、早めに専門家や市の窓口に相談することで、適切な対処方法が見つかります。
また、空き家の活用や解体、相続に関する相談は、不動産会社やFP(ファイナンシャルプランナー)、弁護士・司法書士などの専門家に相談するのもおすすめです。
住宅助成金の申請手順と注意点
住宅助成金は、申請のタイミングや手続きの順序を間違えると、せっかくの支援が受けられなくなってしまいます。
ここでは申請タイミング、業者選び、申請が通らないケースの3つに分けて、注意点を解説します。
申請タイミングと工事着工前の注意
住宅助成金で最も重要なのは、工事着工前に申請することです。
多くの助成制度では、「工事に着手する前に申請し、承認を受けてから工事を開始する」という流れが定められています。先に工事を始めてしまうと、後から申請しても助成金を受け取れません。
利用したい助成制度の対象要件、申請期限、必要書類を確認します。
信頼できる業者に見積もりを依頼して、工事内容と費用を出してもらいます。助成制度に対応した実績のある業者を選ぶと安心です。
申請書、見積書、工事図面、建物の登記事項証明書などを準備し、期限内に提出します。
審査期間は通常1〜2か月程度です。承認通知が届くまで、絶対に工事を始めないでください。
承認通知が届いたら、工事を開始します。工事中や完了後の写真撮影が必要な場合もあります。
工事完了後、完了報告書や領収書、工事写真などを提出します。審査後、指定口座に助成金が振り込まれます。
改めて以下のケースにはご注意ください。「工事業者が急いでいたから」「知らなかった」という理由でも、救済措置はありませんので、必ず事前申請を徹底してください。

業者選びで失敗しないためのポイント
住宅助成金を利用する場合、助成制度に詳しい業者を選ぶことが重要です。
- 助成金申請の実績の有無
- 必要な書類(見積書、図面など)を適切に作成してくれるか
- 申請手続きのサポートの有無
- 工事内容が助成制度の要件を満たしているか
助成金に不慣れな業者の場合、必要な書類が不足していたり、工事内容が助成要件を満たしていなかったりして、申請が通らないケースもあります。
複数の業者から見積もりを取る際には、「この助成制度を使いたい」と最初に伝えて、対応可能かどうかを確認しておくと安心です。
また、地元福岡市で実績のある建築会社やリフォーム会社であれば、福岡市の助成制度に詳しい場合が多いので、専門家に相談するのもおすすめです。
申請が通らないケース
助成金の申請をしても、必ずしも承認されるとは限りません。以下のようなケースでは、申請が通らない可能性があります。
- 工事内容が助成制度の要件を満たしていない
- 必要書類に不備がある(図面、見積書、証明書など)
- 所得制限を超えている
- 申請期限を過ぎている
- 予算枠が埋まってしまった(先着順の制度の場合)
- 対象住宅の条件を満たしていない(築年数、構造など)
予算枠が決まっている国の制度では、年度後半になると予算が埋まってしまうことがあります。リフォームや新築を検討している方は、できるだけ早めに情報収集と申請準備を進めることをおすすめします。
不安な場合は、申請前に福岡市の住宅都市局や、助成制度を実施している担当窓口に事前相談することで、申請が通るかどうかの見通しを確認することも可能です。
まとめ|住宅助成金を使うか迷ったときの判断基準
「助成金を使った方が得なのか」「手続きが面倒そう」「本当に自分に必要なのか」と迷う方も多いと思います。
ここでは、助成金を使うかどうかを判断する3つのポイントをご紹介します。
助成金額と自己負担の考え方
助成金を利用する場合、まず確認したいのが「実際にいくら戻ってくるのか?」だと思います。助成金の多くは工事費用の一部を補助する仕組みです。
たとえば、100万円のリフォーム工事で30万円の助成金が出る場合、自己負担は70万円になります。
助成金があるからといって、本来不要な工事まで追加してしまうと、結果的に出費が増えてしまいます。「本当に必要な工事か」「助成金がなくてもやる予定だったか」を冷静に判断することが大切です。
また、助成金の申請には書類準備や審査期間が必要です。数万円程度の助成金であれば、手続きの手間を考えて利用しないという選択肢もあります。
- 助成金額だけでなく、自己負担額も確認する
- 申請の手間(書類準備、審査期間など)と助成額を比較する
- 工事のタイミングが助成制度のスケジュールに合うか
- 助成金ありきで過剰な工事をしないよう注意
将来的な売却・相続への影響
住宅のリフォームや新築を検討する際には、将来的な売却や相続も視野に入れておくことをおすすめします。
省エネ性能の高い住宅や、バリアフリー化された住宅は、将来売却する際に評価されやすくなります。また、長く住み続ける場合も、光熱費の削減や安全性の向上につながります。
住宅を相続する場合は、築年数が古く老朽化している住宅よりも、適切にリフォームされている住宅の方が、相続人にとって選択肢が広がります。
空き家のまま放置すると、固定資産税の負担が増えたり、特定空家に指定されるリスクもありますので、早めにリフォームや解体を検討することで、将来的なトラブルを避けることができます。
「空き家の解体や相続については、福岡市の空き家解体助成金の記事もご覧ください。」
専門家に相談すべきケース
以下のような場合は、専門家に相談することで、より適切な判断ができます。
- 複数の助成制度を組み合わせたいが、どれが最適か分からない
- リフォームと建て替え、どちらが良いか迷っている
- 相続した空き家をどうするか悩んでいる
- 助成金の要件を満たしているか不安がある
- 将来的な売却や資産価値を考慮したい
これら全てを満たそうとする場合、多くの専門家(不動産業者、解体業者、行政書士、司法書士、弁護士など)が関わらなければならず、大変です。トータルで検討したい場合は、是非ご相談いただければと思います。

