「親の介護費用が心配」「どんな支援が受けられるのか分からない」「申請が難しそう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、福岡市で高齢者の介護や医療、日々の生活をサポートする助成金や支援制度をまとめました。
紹介する中には医療費助成、介護サービスの利用料軽減、住宅改修の支援、生活費の補助など、高齢期の経済的負担を軽くする制度が数多くあります。
福岡市の高齢者・福祉に関する助成金を、医療・健康、介護・在宅支援、生活支援の3つのカテゴリーに分けて、分かりやすく解説します。



本人申請と家族による代理申請の違い、相談窓口についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- 福岡市の高齢者・福祉助成金の全体像
- 医療・介護・生活支援で使える制度
- 本人申請と代理申請の方法
- 家族が知っておくべき相談先と考え方
福岡市の高齢者・福祉助成金の考え方
高齢者や福祉に関する助成金は、医療、介護、生活支援など、幅広い分野にわたっています。
制度を理解するためには、高齢者支援の基本方針、介護保険との関係、家族が知っておくべき視点の3つを押さえておくことが大切です。
高齢者支援の基本方針
福岡市では、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、さまざまな支援制度を整備しています。
- 医療・健康面のサポート(医療費助成、健診支援など)
- 介護・在宅生活の支援(介護サービス、住宅改修など)
- 経済的な支援(生活費補助、公共料金軽減など)
これらの支援は、国が定める全国共通の制度と、福岡市が独自に実施する制度の2つに分かれています。
介護保険や後期高齢者医療制度は国の制度ですが、福岡市独自の支援も組み合わせることで、より手厚いサポートを受けられます。
介護保険制度との関係
高齢者の介護に関する支援の中心となるのが、介護保険制度です。
介護保険は40歳以上の方が加入する保険で、要介護認定または要支援認定を受けることで、介護サービスを利用できます。介護サービスの利用料は原則1〜3割負担ですが、所得に応じて負担割合が変わります。
- 訪問介護(ホームヘルプ)、訪問看護
- デイサービス(通所介護)、ショートステイ(短期入所)
- 福祉用具のレンタル、住宅改修費の支給
- 特別養護老人ホームなどの施設入所
介護保険とは別に、福岡市が独自に実施している支援制度もあります。たとえば、介護保険の対象外となる軽度の方向けのサービスや、介護用品の購入費助成などです。
介護が必要になったら、まずは地域包括支援センターやケアマネージャーに相談することで、介護保険サービスと市の支援制度を組み合わせた最適なプランを立てられます。
家族が知っておくべき視点
高齢者の支援制度は、本人だけでなく家族も知っておくことが重要です。
特に、遠方に住んでいる家族や、仕事をしながら介護をしている家族にとっては、「どんな制度があるのか」「どこに相談すればいいのか」を事前に把握しておくことで、いざという時に慌てずに対応できます。
- 本人が認知症などで申請が難しい場合、家族が代理申請できる
- 介護と仕事の両立を支援する制度(介護休業給付金など)もある
- 将来的な相続や空き家問題にもつながる可能性がある
- 早めに相談窓口とつながっておくと安心
また、高齢の親が一人暮らしをしている場合、住まいの安全性や、緊急時の連絡体制を整えておくことも大切です。見守りサービスや緊急通報システムの利用についても、地域包括支援センターで相談できます。
福岡市全体の助成金を幅広く知りたい方は、福岡市の助成金一覧ページもご覧ください。
医療・健康に関する助成制度

高齢になってくると通院の機会が増えたり、定期的な健診が必要になったりと、医療費の負担がどうしても大きくなってしまいがちです。
福岡市では、高齢者の医療費助成、健康診断の支援、障がい・難病に関する助成の3つの観点から、支援制度が用意されています。
高齢者医療費助成
福岡市では、75歳以上の方を対象とした「後期高齢者医療制度」が適用されます。これは全国共通の制度で、医療費の自己負担が原則1割になります。
ただし、現役並みの所得がある方は3割負担、一定以上の所得がある方は2割負担となります。
- 75歳以上の方が対象(65歳以上で一定の障がいがある方も対象)
- 医療費の自己負担は原則1割(所得に応じて2〜3割)
- 高額療養費制度があり、月の医療費に上限が設けられる
- 入院時の食事代や差額ベッド代は別途負担
また、低所得の世帯に対しては、医療費の自己負担額がさらに軽減される制度もあります。該当する場合は、区役所の保険年金課で「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受けることで、窓口での支払いが軽減されます。
健康診断・がん検診の支援
病気の早期発見・早期治療のために、福岡市では高齢者向けの健康診断やがん検診を支援しています。
後期高齢者医療制度に加入している方は、年1回の健康診査を無料で受けられます。
- 後期高齢者健康診査(75歳以上、年1回無料)
- がん検診(胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん)の自己負担軽減
- よかドック(特定健診)の無料または低額実施
- 歯科健診の支援
がん検診については、70歳以上の方は無料で受けられる検診もあります。福岡市から送られてくる受診券を使って、指定の医療機関で受診できます。
また、在宅で寝たきりの状態にある方には、訪問による健康診査を実施している場合もあります。詳しくは、各区の保健福祉センターに相談してください。
よかドッグの内容を知りたい方は「よかドッグの内容と予約方法」を参考にしてください。
障がい・難病に関する助成
障がいのある方や、指定難病などの治療を受けている方には、医療費の助成制度があります。
- 重度障害者医療費助成
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身体障害者手帳1・2級、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1級をお持ちの方は、医療費の自己負担額が軽減されます。
重度障害者医療費助成のポイント- 対象者は重度の障がいがある方
- 通院・入院ともに自己負担額が軽減される
- 所得制限がある
- 各区の保健福祉センターで申請
- 指定難病医療費助成
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国が指定する難病(パーキンソン病、潰瘍性大腸炎など)の治療を受けている方には、医療費の自己負担額に上限が設けられます。
対象となる疾患は300種類以上あり、診断を受けた医療機関で「臨床調査個人票」を作成してもらい、各区の保健福祉センターに申請します。
また、人工透析を受けている方や、特定の医療を継続的に受けている方には、「特定疾病療養受療証」の制度もあります。これにより、月の医療費負担が一定額に抑えられます。
介護・在宅支援に関する助成金
介護が必要になっても、できるだけ自宅で暮らし続けたいと考える方は多くいます。
福岡市では、介護サービスの利用料軽減、在宅介護・見守り支援、介護用品・住宅改修の3つの観点から、在宅生活をサポートする制度が用意されています。
介護サービス利用料の軽減制度
介護保険サービスを利用する際の自己負担額は、原則1〜3割ですが、所得が低い世帯や、介護費用が高額になった場合には、負担を軽減する制度があります。
高額介護サービス費
1か月の介護サービス利用料が一定額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
- 世帯の所得に応じて自己負担の上限額が設定される
- 上限額は月15,000円〜44,400円(所得による)
- 申請は初回のみ、2回目以降は自動的に払い戻される
- 各区の介護保険課で申請
低所得者向けの負担軽減
生活保護を受けている世帯や、市民税非課税世帯の方には、介護サービスの利用料がさらに軽減される場合があります。
また、施設入所時の食費・居住費についても、所得に応じて負担額が軽減される「特定入所者介護サービス費」という制度があります。
在宅介護・見守り支援
自宅で介護をする家族を支援するため、福岡市ではさまざまな在宅支援サービスを提供しています。
家族介護用品支給事業
要介護4または5の方を在宅で介護している家族に対して、紙おむつなどの介護用品の購入費用が支給されます。
- 要介護4または5の方を在宅で介護している家族が対象
- 市民税非課税世帯が条件
- 月額6,000円〜8,000円相当の介護用品を支給
- 各区の保健福祉センターで申請
緊急通報システム
一人暮らしの高齢者や、高齢者のみの世帯が安心して暮らせるよう、緊急時にボタンを押すだけで通報できるシステムの設置を支援しています。
自己負担は所得に応じて決まり、低所得世帯では無料または低額で利用できます。最近は強盗なども増えていますので、不安な方は是非検討してみてください。
見守りサービス
福岡市では、地域のボランティアや民生委員による見守り活動、配食サービスと連動した安否確認など、さまざまな見守りの仕組みがあります。
また、民間企業と連携した見守りサービス(電気・ガスの使用状況を確認するサービスなど)を紹介してもらえる場合もあります。詳しくは地域包括支援センターに相談してください。
介護用品・住宅改修の支援
在宅での介護をしやすくするために、福祉用具のレンタルや住宅改修の費用を助成する制度があります。
福祉用具貸与
介護保険を利用して、車いすや介護ベッド、歩行器などの福祉用具を1〜3割の自己負担でレンタルできます。
要介護度によって利用できる用具が異なるため、ケアマネージャーに相談しながら選ぶことをおすすめします。
住宅改修費の支給
手すりの取り付け、段差の解消、床材の変更など、介護のための住宅改修費用の一部が支給されます。
- 要介護・要支援認定を受けている方が対象
- 上限20万円まで(自己負担1〜3割)
- 工事前にケアマネージャーや保健福祉センターに相談
- 事前申請が必要(工事後の申請は不可)
住宅改修は、工事着工前に必ず申請が必要です。先に工事を始めてしまうと、助成が受けられなくなるため注意してください。
バリアフリーリフォームについて詳しく知りたい方は、福岡市の住宅リフォーム助成金の記事もご覧ください。
生活支援・経済的支援制度
年金だけでは生活が厳しい、医療費や介護費用の負担が大きいなど、経済的な不安を抱える高齢者の方もいらっしゃいます。
福岡市では、低所得高齢者向けの支援、公共料金・移動支援、緊急時の支援の3つの観点から、生活をサポートする制度が用意されています。
低所得高齢者向けの支援
収入が少なく、生活が厳しい高齢者の方には、経済的な支援制度があります。
- 老齢福祉年金
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一定の条件を満たす低所得の高齢者に対して、老齢福祉年金が支給される場合があります。ただし、この制度は国民年金制度が始まる前からの経過措置的なもので、対象者は限定的です。
- 生活保護制度
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年金や貯金などを活用してもなお生活が困難な場合は、生活保護制度を利用できます。
生活保護を受けることに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、困ったときに支援を受けるのは当然の権利です。まずは福祉事務所に相談してみてください。
- 年金生活者支援給付金
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年金を受給していても、所得が一定額以下の方には「年金生活者支援給付金」が支給されます。これは年金に上乗せされる形で支給され、月額約5,000円程度です。
対象者には日本年金機構から案内が届きますが、届かない場合でも条件を満たしていれば申請できます。
公共料金・移動支援
日常生活での経済的負担を軽くするため、公共料金の減免や移動支援の制度があります。
- NHK受信料の免除
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生活保護を受けている世帯や、市民税非課税世帯で障がいのある方がいる世帯は、NHK受信料が全額または半額免除されます。各区の保健福祉センターで証明書を発行してもらい、NHKに申請します。
- 公共交通機関の割引
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70歳以上の方や、障害者手帳をお持ちの方は、福岡市地下鉄やバスの割引制度を利用できます。
交通機関の割引制度- 福岡市地下鉄:高齢者割引(70歳以上)、障がい者割引
- 西鉄バス:グランドパス65(65歳以上の定期券)
- タクシー券の助成(重度障がい者、要介護度の高い方など)
また、外出が困難な高齢者の方には、福祉タクシー券の助成制度もあります。これは年間一定枚数のタクシー券が配布され、通院や買い物などに利用できます。
詳しくは、各区の保健福祉センターや福岡市の公式サイトで確認してください。
緊急時の支援制度
急な入院や災害など、緊急時に利用できる支援制度もあります。
- 緊急小口資金の貸付
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緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合、少額の資金を無利子で借りられる制度があります。
たとえば、医療費の支払いや、災害による被害など、やむを得ない事情で急にお金が必要になった場合に利用できます。
緊急小口資金のポイント- 貸付上限:10万円以内
- 無利子・保証人不要
- 返済期間:1年以内(据置期間2か月)
- 福岡市社会福祉協議会で申請
- 災害時の支援
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地震や台風などの災害で被害を受けた場合、災害見舞金や応急修理の支援、避難所での生活支援など、さまざまな支援制度があります。
また、避難行動に支援が必要な高齢者の方には、「避難行動要支援者名簿」への登録制度があり、災害時に地域や行政からの支援を受けやすくなります。
日頃から地域包括支援センターや民生委員とつながっておくことで、緊急時にもスムーズに支援を受けられます。
高齢者助成金の申請方法と注意点
高齢者の助成金は、本人が申請する場合と、家族が代わりに申請する場合があります。ここでは、申請方法、必要書類、よくあるミスをシンプルに解説します。
本人申請と代理申請の違い

高齢者の助成金は、原則として本人が申請します。ただし、本人が申請できない場合は、家族が代理で申請することも可能です。
- 入院中で窓口に行けない
- 認知症などで手続きが難しい
- 体が不自由で外出できない
代理申請する場合は、委任状や本人確認書類(マイナンバーカード、保険証など)が必要です。詳しくは各窓口で確認してください。
申請の流れと必要書類
申請の基本的な流れは、以下の通りです。
各区の保健福祉センターや地域包括支援センターで、利用できる制度を確認します。
申請書、本人確認書類、口座情報、医師の診断書(必要な場合)などを用意します。
各区の窓口で申請します。郵送やオンラインで申請できる制度もあります。
審査期間は制度によって異なります(通常1〜2か月程度)。
口座振込、または医療証・介護サービス利用券などが郵送されます。
制度によって必要な書類が異なるため、事前に窓口で確認しておくとスムーズです。
よくある申請ミス
申請時によくあるミスをまとめました。
- 必要書類が足りない(診断書、課税証明書など)
- 申請期限を過ぎてしまった
- 本人確認書類の有効期限が切れていた
- 口座情報が間違っていた
- 住宅改修を先に始めてしまった(事前申請が必要)
特に住宅改修は工事前の申請が必須です。先に工事を始めると助成が受けられなくなるため、必ず事前に相談してください。
家族が知っておくべき相談先と考え方
「親の介護が心配」「どこに相談すればいいか分からない」と悩んでいる家族の方も多いと思います。
ここでは、主な相談窓口、専門家の役割、将来に備える考え方を分かりやすく解説します。
市の相談窓口
福岡市には、高齢者や家族が相談できる窓口がいくつかあります。
- 地域包括支援センター:介護、医療、生活支援の総合窓口(各地域に設置)
- 各区の保健福祉センター:医療費助成、障がい者支援、生活相談
- 介護保険課:介護保険の申請、サービス利用の相談
- 福祉事務所:生活保護、経済的な支援の相談
迷ったら、まず地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。どの制度が使えるか、どこに相談すればいいかを案内してくれます。
ケアマネ・専門家の役割
介護が必要になったら、様々な専門家のサポートを受けることが大切です。ここでは各専門家の役割について簡潔に解説しておきます。
要介護認定を受けると、ケアマネージャーがつきます。ケアマネは、介護サービスの計画作成や、サービス事業者との調整を担当します。
- 医師・看護師:健康状態、治療方針の相談
- 社会福祉士:生活全般の相談、制度利用のサポート
- FP(ファイナンシャルプランナー):介護費用の資金計画
- 弁護士・司法書士:相続、成年後見制度の相談
相続・空き家につながるケース
高齢の親が一人暮らしをしている場合、将来的に相続や空き家の問題につながる可能性があります。



いずれ…と思っていても人間なかなか行動するのは大変です。そのため以下のような点だけでも、考えておくと非常に楽になります。
- 実家をどうするか(住み続ける、売却する、賃貸にする)
- 相続の準備(遺言書、財産の整理)
- 空き家になった場合の管理や解体費用
親が元気なうちに、家族で話し合っておくことをおすすめします。また、「実家の空き家対策については、福岡市の住宅関連助成金の記事もご覧ください。」
福岡市全体の助成金を確認したい方は、福岡市の助成金一覧ページもあわせてご覧ください。

